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腰膝痛-漢方療法で「痛み止めのお薬」とサヨナラしよう!

腰痛や膝痛など、不快な痛みに長期間悩まされている方が多いと聞きます。痛みの部位や種類、そして自分自身の体調や体質を知り正しく漢方薬を服用することで、そのようなしつこい痛みも驚くほどスッキリ改善します。

身体に優しい自然の力で、「痛み止めのお薬」が欠かせない毎日とサヨナラしましょう!

脊柱管狭窄症(腰部)
 高齢化社会の中、腰痛を訴える人が多く見受けられます。脊柱管狭窄症もその一つですが単なる腰痛と異なり、動作時に痛みが増し安静により軽快するという症状が長くつづき、神経性間欠跛行を伴うのが特徴です。
 神経性間欠跛行とは一定の距離を歩くと下肢の痛み・しびれ感・脱力感などで歩けなくなり病状が進むと今まで一キロ歩けたのが百メートル・数十メートルとだんだん距離が短くなってきてしまいます。しかし、このような症状も数分間休息すると軽くなり又歩けるようになります。
休息姿勢は丁度「ロダンの考える人」のような姿勢が回復が早いといわれています。このように歩く・休むを繰り返すことから「間欠跛行」と表現されています。
  

中国漢方の考え方

 高齢者に多いことから経絡に必要なエネルギー(気)や栄養物質(血)が不足して腰部の組織を養えずにひき起こされる疾患ですので、漢方薬の気や血を補う生薬で気血を調和をします。漢方治療の基本は「不足は補い、過剰は瀉す」ことですので、高齢者の治療は補うことが処方の中心になります。
病院での治療は老若の区別はなく消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などがよく処方されていますが、高齢者はただでさえ体の機能が落ちていますのでこれらの薬は体の負担となります。
腰痛
 腰痛は二本の足で立って歩く人間の宿命ともいわれています。
四足歩行の動物と違い二足歩行をすると、垂直方向に体重がかかります。特に上半身の体重を支える腰の周辺には過剰な負担が加わり腰痛の大きな原因をつくりだしているのです。
 腰痛は老化現象のひとつでもあり、高齢者によく見られます。しかし最近では若い人にも多く見られ新しい国民病ともなっています。
 成人世代に腰痛が増えている背景には運動不足による筋力の低下や姿勢の悪さストレスや生活習慣の変化があるといわれています。姿勢と腰の負担を調べたある実験によると正しい座り方のときとデスクワークに多い”前かがみ”の姿勢をしたときでは、背筋に三倍の負担がかかっているという結果がでています。
 腰痛は大きく分けると①骨や関節・筋肉に問題があって起こる腰痛と、②内臓疾患からくる腰痛に分けられます。最近急増しているのは前者の腰痛で、ぎっくり腰や椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、変形性脊椎症、腰部脊椎管狭窄症などが多く見られます。
 MRIやCTなどの高度医療機器によりその診断は確かになつてきましたが治療は鎮痛消炎剤や物理療法、手術などが一般的であまり治療成績がよくないのか漢方薬の治療を求める方が多くなっています。
  

中国漢方の考え方

 漢方では、腰痛は経絡に気・血などのエネルギー・栄養物質が流れなくなるために起こると考えています。経絡とは体の中を流れる栄養物質の通路です。さまざまな栄養物質は経絡を通って五臓六腑や筋肉・靱帯・関節・骨などにゆきわたり生命活動を支えています。経絡の流れを乱しエネルギーや栄養物質を届けられず上記のさ まざまな腰痛をひき起こす原因には冷えや湿気・ストレス・瘀血(おけつ)・腎虚・気血の不足などがあります。
 Ⅰ)冷えが原因のとき:冬や冷房など寒冷のの刺激で痛みが強くなる。手足がいつも冷えるなどの訴えがある人は身体を温めて血行をよくする漢方薬を使います。
 Ⅱ)湿気が原因のとき:雨が降る前や梅雨時など湿度の高いとき痛みが強くなり、むくみや関節が腫れて痛む、重だるい痛みなどがあれば体の水分代謝を良くする漢方薬を使います。
 Ⅲ)ストレスが原因のとき:張ったような痛みでストレスや緊張で痛みが強くなる。朝方に痛むなどのときは気の巡りよくする漢方薬を使います。
 Ⅳ)瘀血(おけつ)が原因のとき:痛む場所がいつも同じで刺すように痛む、夜間に痛みが強くなるなどがあれば血の汚れを改善する漢方薬を使います。
 Ⅴ)腎虚が原因のとき:疲れると痛みが憎悪する、腰や膝がだるく力が入らず不安定などの症状があれば腎の働きをよくする漢方薬を使います。
 Ⅵ)気・血が不足のとき:疲れたり、動いた後に痛み筋肉の引きつりやしびれなどがあり痛みはそれ程でない。気や血を補う漢方薬を使います。
上記のようにさまざまな原因に分類してみましたが、これらは単独での原因で発病する事はまれで大概、複合症状がみられます。
  

繁用される漢方薬

 葛根湯、小青龍湯、疎経活血湯、桂枝加苓朮附湯、五積散、薏苡仁湯、柴胡疏肝湯、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、身痛逐瘀湯、ハ味地黄丸、牛車腎気丸、知柏地黄丸、左帰丸、独活寄生丸など。
上記のいろいろな脊椎の疾患も、背骨を支えるのは周辺の筋肉や靱帯です。骨の質をを支配しているのは「腎」、筋肉や靱帯を支配しているのは「肝」と漢方では考えていますので「肝・腎」の働きの低下は腰部の異常を起こすきっかけになります。
 ”腰はからだの要”と記すように漢方では「肝腎かなめ(要)」の手当てこそが腰痛治療の要であるとしています。
秋,冬に悪化する慢性腰痛
秋冬は乾燥と寒涼の季節です。
体もその影響を受け瑞瑞しかったお肌もカサツキ・皺も見られるようになり縮む傾向になります。筋や筋肉も同様で動きが硬くなってきます。そこに寒涼の外気の影響を受けると痛みの訴えが多くなってきます。
ウォームビズを取り入れ乾燥と寒涼から、からだを守りましょう。
腰はニクヅキ(月)にカナメ(要)と書くようにからだの要となる重要な部位です。
腰痛は一度起きると再発したり慢性化することもあり、予防的な治療が大切です。
西洋医学的にはっきりした原因が解からず、自分でも思い当たるふしがない痛みが日常的には、多いように思います。特に、
1. 中年以降に発症した
2. 腰以外に痛みがない
3. 安静時には痛みが軽いか感じない
4. 歩いたり階段を昇り降りすると痛みが強くなる
5. 気候変化で痛んだり加重する
6. 経過が長くなかなか治らない
7. 炎症性の症状はほとんどなく、温めると痛みが和らぐ
などの方は残念ながら老化による痛みで鎮痛剤や消炎剤効果がないばかりか害になることもあります。
漢方では腰は「腎の府」といわれるように腰は腎と密接に関係していると考えていて、加齢による腰痛は勿論、ギックリ腰や若い人の腰痛にも必ず腎が関係していて、腎の働きに異常(腎虚)があれば、必ず腰に症状が現れ、慢性的に重だるく、うずくような痛みを感じるようになります。

漢方では腰痛の原因を
(1) エネルギーや栄養がなどの流れを妨げるものがあるために腰にその活動の源であるエネルギーや栄養素が届かない
(2) 老化(加齢)や過労により、エネルギーや栄養が不足して腰にその活動源であるエネルギーや栄養が届かない
からと考えていますが、実際は(1)と(2)の混合型が最も多く来店されます。 又、痛みの性質も人それぞれで(1)重だるく痛む(2)刺すように痛む(3)張ったように痛む(4)引きつるように痛む(5)冷えて痛む(6)熱感があり痛む(7)綿綿と痛むなどの表現で訴えをお聞きすることがりますが、慢性の場合は(1)、(3)、(4)、(5)、(7)の痛み方が多いように思います。
秋冬に多い症状と改善法
(1) 「重く痛む」は
  胃腸機能低下(脾の運化)や腎の機能低下(腎虚)で生じた過剰な水分がからだに停滞している。
  雨の前に症状がでる。茯苓、白朮、蒼朮などで胃腸機能を高め余分の水を出して改善します。
(2) 「冷えて重く痛む」は
  過剰な水分の停滞に寒さによる冷えが加わった状態に多い。
  さすったり温めると楽になり、雨の前に悪化する。
  肉桂、麻黄、乾姜、附子などでからだを温め茯苓、白朮、蒼朮などで胃腸の働きを高め余分の水を出して改善します。
(3) 「ひきつるように痛む」は
  腎の働きとともに肝機能に問題があると寒冷の刺激が引き金となって腰痛が起こることがあります。
  この場合、腰痛とともに男性は内股の付け根が、女性では会陰がひきつるように痛みます。冷えに対する反応も極端で、冷えたものに少しでも座っただけで発症します。桂枝、生姜、細辛、呉茱萸、当帰などで補い温めて患部にエネルギー・栄養物を送り改善します。
(4) 「夜間に痛みが強くなる」は
  肝の働きが落ちて血液の成分が不足している場合に、冷えや湿気が加わるとエネルギーや血液のめぐりが悪くなり、やがて血液が滞るようになる、この時期に発症します。
  当帰、芍薬、地黄、川芎などの血を補うことを主に血の滞りを改善する生薬や、冷え、過剰な水を除く生薬を配合し改善を図ります。
(5) 「重だるい慢性痛」は
  年配の人に多く腎そのものが衰えている場合に多い訴えです。
  若い人でも精神的・肉体的な過労、性生活や食生活の不摂生などが続くと、腎が一時的に衰えて重だるい腰痛が起こることがあります。
  地黄、山薬、枸杞子、山茱萸などをベースに冷える人は肉桂、附子を加えて温めて陽気を補います。
  薬以上に休養と規則正しい食生活は何よりも大切です。
重くつるような腰痛の患者さん(1)
2004年4月、H・Mさん59歳の男性が腰痛で来店されました。
痛みはベルト下~右下肢に及び、病院に2ヶ月間通っている。X線での異常は無く、ボルタレン座薬で痛みを凌いでいた。
薬効が切れると、こむら返りのときの重くつる感じの痛みや歯の治療時の刺すような痛みになり一向に改善されない。
濃い味の食べ物を好み、晩酌は冬でもビール1リットル、氷入りのお茶をよく飲む。暑がり、汗かき、のぼせ症で、体がほてるのでパジャマのズボンははかない、靴下もなるべくはきたくない。
舌を見せていただくと形は大きく、黄白色の苔があるなどでした。
この方の場合、からだに過剰な熱と水の存在は明らかであり、これらがエネルギーや栄養分の流れを悪くし、患部に基本物質の不足を生じさせた。
刺すような痛みもあることから血の滞りもあるので、治療はからだの余分な熱と水を取りのぞき、血の滞りを改善する漢方薬を飲んでいただいた。
3日目頃からボルタレンの使用回数が減って、15日目に来店時は漢方薬のみで痛みが楽になってきている。2ヶ月継続。
食養生を主に生活習慣の改善をお願いし、几帳面な性格なので後養生薬として抗ストレス薬と補腎剤を継続していただいた。
重だるい痛みの腰痛患者さん(2)
Sさん60歳女性、BMI23.
2004年秋頃から自然発生的に腰に痛みを感じる。 痛みはそれ程でなく、風呂に入ると楽になり、忘れることもあり、シップなどで様子をみていた。
2005年7月庭の草取りをして、無理をしたのか、ベルトラインの背骨の辺が重だるく痛むようになった。掃除機のかがみ仕事や、中腰の姿勢で痛みを強く感じ、気が晴れないと来店された。
舌は胖大で血色は悪く白苔が中央にある。
舌の状態などから老化によるエネルギーや血の不足(気血不足)の上に血の滞りも診られるので老化による(肝・腎の働き不足)気血を補う独歩丸、腎の水処理能力を高める牛車腎気丸、血の滞りを改善する桂枝茯苓丸を服用していただき、背骨の周りの血流を改善し栄養分を行き渡り易くして筋骨の強化を図りました。
約1ヶ月で不快症状は消滅。
この方のように基本物質の不足(気・血・津液・津)は慢性化しやすく、腰に負担のかかる仕事が引き金となり思わぬ痛みを引き起こします。
森光子さんの頑張りの源、スクワット体操を徐々に取り入れることをお話しました。
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